娘の結婚が決まってからはホッとした気持ちと純粋に嬉しいのと自分の娘が結婚だなんて!といった相変わらずのんびりとした感覚でいた。
それが、ふとした瞬間に「お嫁に行っちゃうんだ。このお家から出ていってしまうんだ…」と、当然のことを改めて実感した。
今まで26年間ずっと狭いマンションで共に生活してきた長女が家を出る…。
それが成長なんだけど、何れは巣立ってもらわないとそれはそれで困りものなんだけど…、急にあれこれ思い出したりとおセンチな気分になった。
大丈夫だろうか?ちゃんと家の事できるのだろうか?
言っていることも一丁前になり、逆に諭してくるくらいに口は達者になった。
聞く話では仕事もまあまあこなせているっぽい。
そこがまた心配だ。
こなせている気でいることの怖さ。
自分で出来ていると思ってしまうと、つい大切なことを見落として仕舞いがちになると思う。
それもどこかのタイミングでいつか気付くだろう。
ホームビデオ
子ども達が生まれた時から撮っていたホームビデオ。
今が見どきだ!(笑)
そう思い、ゴソゴソとDVDをあさる。何枚かデータが消えてしまって見れなかったものがあった。
デジタルデータ……。
便利でコンパクトだけど、消えてしまっていては元も子もないじゃん。
そんな時のためにDVRテープは残している。
いつかこのテープもいつでも見返しできるように保存しなければいけないな…と引き出しをそっと閉めた。
さすが第一子。生まれてからのビデオの量が半端なく多い。生まれて3ヶ月のまだ寝返りも出来ない娘を延々と取り続けていた。繋げるとその尺何時間。
今の時代だとYouTubeでも始めていそうだ。
声をかけてこっちを向かせてみたり、あやして笑わせてみたり、顔の前でぬいぐるみを引っ張って遊ぶのを静かに盗撮。。。
何もしない赤子を必死にあやす大人たちを見て思わず吹き出してしまう。
親戚の中でも友達の中でも一番に生まれたのでみんなが物珍しく嬉しいことにたくさんの人達に抱っこされたり…
あぁ、この子はこうやって今の恵まれた環境を手に入れたんだな…と実感した。
誤解のないように付け加えておくと、今まで全てが順風満帆に進んでいたわけではない。
友達問題で悩み部屋の隅っこで体操座りで泣きながら頭からキノコを生やしていた日もあった、怪我でヒヤッとさせられた時もあった、高校受験なんて志望校2校とも落ちた。
それでも自分の夢を諦めずに後期の試験でようやく掴んだ高校生活。この話はまたいつか…。
そうそう、ホームビデオって素敵。
写真では伝わらない動きや言葉、声のトーンなんかもそのまま当時が蘇ってくる。当時へタイムスリップだ。
数年前に亡くなった父もまだ会社勤めしていて活き活きと若い。ビデオの中で「ただいま〜」と旦那さんと一緒にドアを開けるところが記録されていた。まるでサザエさんの波平さんとマスオさんが一緒に帰ってくるあの光景のように素敵な絵面だった。
長女を産んで退院後、里帰りしていた頃のビデオだ。
おそらく、一日中赤子の横にいて余程時間があったのかこの頃のビデオはやたら日常をダラダラと撮り続けている。
SNSで編集された「映え」動画や写真とは違いどこにも「映え」の欠けらも無いがそれがまた日常を切り取っていてリアルで面白い。
優しいと思っていたパパの意外な一言やそれ以上に優しかった祖母の厳しい瞬間なんて、ビデオに残っていなければもう二度と思い出すこともなかっただろう。
記憶で美しく書き換えられていたことが生々しく蘇った(笑)←いい意味でね
たまたま家にいた娘達とあーでもないこーでもないと言いながら気付けば2日が経っていた。
昼から予定のある娘達を順番に駅まで送り届け、夜勤終わりの母はようやくお風呂に入り今晩の仕事に備えるのであった。
素直な気持ち
ビデオを見ていて思ったこと。
それは、みんな素直で純粋。
大人になって世間に揉まれ仕事を任させるようになり責任を持つようになるとどうしても素直で純粋ではいられなくなる。
だけど、素直な気持ち、純粋な心だけは持ち続けていたい。
笑顔
そしてビデオを見ているとみんなよく笑っている。
みんなが新しく加わった家族を温かく迎え入れ、それぞれの愛情表現で接してくれている。
寝返りする頃には成功するまで何回も何分間もビデオを回し、応援したり、初めて?の一歩など成長の記録がおさめられている。
3〜5歳の頃に自分のビデオを見て育った子どもは自己肯定感が高いらしい。
幼い頃に可愛がられている自分を客観的に映像で見ることで自己肯定感が爆上がりするらしい。
赤ちゃんの頃のビデオを見ながら遊ぶ子ども達の様子もまたビデオにおさめられ残っていた。
知らないうちに実践できていたようだ。
その結果、ちゃんと自己肯定感の高い娘達へと成長していると思う。
このデータは我が家でも実証された。
我が家の家訓
これらのことは我が家の家訓にもしている。
我ながらよくできた家訓だと自負している。
パートナーが出来てそれぞれの生活を送る日がきても、どうか娘達がこの『家訓』を受け継いで言ってくれることを願う。
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