ピンポーン♪
「排水管の清掃に来ました〜！」
あ”〜！！！
………すっかり忘れてた。
そう、今日はマンションの排水管清掃の日だった
洗濯パンと洗面所とキッチン…
半年に一度、業者さんが高圧で洗ってくれる、あの日
その瞬間、頭の中で何かが静かに崩れた
今日は、いちばん見られたくなかったなぁ
言い訳させて！
今月に入ってから、少し忙しかったのよ
掃除は後回しね
やらなきゃって思ってたんだけど、それよりも優先する事が多くてね…つい、後回しにしちゃってたの
けれど今日に限って…排水口の中は正直だったわ
絡まった髪の毛…
ヘドロみたいな汚れ…
「ここ、開けますね」
その言葉に汗腺全開、冷や汗が噴き出るわ〜
それでも業者さんは、淡々と、やさしく言った
「奥の方はきれいですよ。もっとひどいところ、たくさんありますから」
掃除をしているかどうかは、奥を見れば分かるらしい
少し救われたけれど、恥ずかしさは残るよね…
隣で娘が、ぽつりと言った
「こういう時に限って来るよね」
「やっぱり、日頃からサボらないことだよね」
本当、その通り！
生活は、油断したところに顔を出す…
見せるつもりのなかった部分ほど、正直にね
今年ももうすぐ終わる
来年のことを、少しだけ考えた…
毎年のように思う。
家をきれいに保ちたい、と。
簡単じゃないよね
維持するのは、もっとむずかしい…
それでも、理想はある
仕事から帰ったら、洗濯機を回して、洗い物をして、床をさっと掃除する
テーブルの上には、できるだけ何も置かない
水回りは、気づいたときにすぐにやる
完璧じゃなくていい
ただ、「見なかったこと」にしない
子どもたちを送り出して、買い物をして、お風呂に入って…
全部終わったあとはソファに座って、横にお茶を置いて、何かに追われるでもなく、本を開く…
来年は、そんな時間を大事にしたい
今までも本は読んできた…
キッチンで、トイレで、隙間の時間に…
でもそうじゃなくて、ゆったりとくつろいで「読むための時間」を、ちゃんと用意しよう
静かな家で、湯気の立つお茶と一緒に、ページをめくる。
それが、来年の目標。
排水管の清掃日が教えてくれたのは、
きれいにすることよりも、
暮らしと向き合う、ほんの少しの姿勢だったのかもしれない。
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