久しぶりに母のところへ行ってきた
グループホームに入居している、認知症の母に会いに
腸捻転で三回、四回と入院を繰り返したことがきっかけで、あれだけ元気だった母の足腰はすっかり弱ってしまった
今は介助がないと歩けない状態だ
しかも、背が高いので女性のスタッフでは危ないので、男性スタッフのいる時以外はずっと車椅子になった
そうなると筋力の衰えはジェットコースター並みだ
母は昔から物静かな人だった
自分が話すより、いつも聞く側…
そんな母に会うのは、気がつけば二ヶ月ぶりくらいになっていた
もともと口数が少ないのも関係しているのか?いつの頃からか言葉を発することがなくなった
分かってはいたけれど、やっぱり現実に目の前で見ると少し切ない
それでも、私の顔を見ると、目に涙を浮かべて喜ぶ
ちゃんとわかってる!
その姿を見ると
「なかなか会いに来られなくてごめんね」
大好きなお母さん…
今はホームの部屋には入れなくて、面会は事前に連絡をして、職員さんが下の応接室のような場所まで連れてきてくれる
時間はだいたい三十分くらい
職員さんたちは席を外してくれるから、母と二人になれる
会話することはできない
私が一方的に話して、歌って、手遊びして…
間が持たない、なんて思うことも正直あるけれど、実の親だから、沈黙があっても本当はそれでいい
毎回手を繋いで話しかける
手を握り、目を見て話す
話すというより、歌うことがほとんど
今回はクリスマス前だったから、クリスマスソングや冬の歌なんかを歌う
私が歌うと、母はなんとなくリズムを取る
それだけでなんだか胸がほっこりとする
すごく嬉しそうな顔をする
帰る時間になって、
「また来るね」
「長いこと会えなくてごめんね」
「そろそろ行くね」
そう言うと、母は握っていた手にギュッと力が入って離さなかった
この時が、いつもいちばんつらい
一緒に帰りたくなってしまう…
いつまでも元気でいてほしかったなぁ
いや、母は元気なのよ!
いろいろと忘れちゃってるだけだよね(*^^*)
手のぬくもりと、目の奥から伝わる気持ちはいつまでも残っている

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